手を拳銃の形にして、バーン!と打ち抜いたフリをする。


「一応、受け取っておく」


言葉少なに碧音は前を向いて、駅に向かって歩き出す。


「……鈍感だなー。お前も。……あいつも」


誰にともなく呟いた言葉はハラリと落ちて消えた。