「そ、ならいいけど」 残りのコーヒーを飲み干してガシャン、とゴミ箱に入れた。 「じゃ、俺の言いたいことは言ったから」 重い話は終わり、という意味を込めて明るい声を出す。 「結局言いくるめられちゃうなんて。……あなたには敵いそうにないわ」 「ありがと」 軽口を言い合って、スタジオの中に戻った。 ――――加速した想いはきっと、止まることを知らない。