今度は和風ハンバーグ。
「香澄さん、半端ねぇっす!」
「んふっ。何でも我慢しない主義なのよ私。食べたいだけ食べるわ」
食欲に忠実ってことか。店員さんも驚いたよね、これには。
「アメリカに行って更に食欲に磨きがかかったんじゃない」
「それは否めないわね。でもプロポーションは保ってるんだから褒めて欲しいわ」
ハンバーグをぱくりぱくりと食べる香澄さんを見る碧音君の表情ったら。しょうがないなって呆れ半分、だけど愛おしさ半分の笑み。
香澄さん、あなたは碧音君から色んな表情を簡単に引き出しますね。
「碧音、はいあーん」
一口大に切ったハンバーグを碧音君の口の前に寄せる。
「いいよ。香澄が食べな」
「メニュー決めるとき、和風ハンバーグも良さそうって言ってたじゃない。だから、ほら」


