キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



「香澄、ゆっくり食べないと喉に詰まらせる」


「アメリカの巨大ハンバーガーを食してる私にとったら余裕よ、これくらい」


「そういう碧音は少なくねぇ?女子か」


「皐月みたいに無駄に胃袋でかくないから」


「無駄じゃねぇし!」


いや、皐月の胃袋の大きさはさすが男子と言うべきか、すごいと思うよ。


スタジオでの練習の休憩のとき、昼ご飯用だと言ってコンビニでお弁当2つにその他諸々買って全部完食してたし、合宿のときも必ずおかわりしていた。


でも太ってなくて引き締まった体だから、女子としては羨ましい限りだ。


「香澄、髪の毛口に入るよ」


碧音君がごく自然な動作で香澄さんの髪を耳にかけてあげた。


「ふふ。ありがとう」


香澄さんは姉御肌って感じで頼れるし、強い芯のある人。だけど今みたいに隙をつくることによってちゃんと無防備な部分も見せる。


そのふとした瞬間の無防備さにキュンとくる男子も多いと何かの雑誌で読んだけど、まさしくこのことだと思う。