……でも、覚えていてくれてた。ぎゅ、スカートを握る。
「んじゃ、この店で決定だな!」
「私おすすめメニューのがっつりハンバーグが食べたいわ」
「香澄、食べすぎるとアトラクション乗ったら酔うよ」
「食わねぇと戦は出来ないぜ碧音!」
「ここは遊園地」
どうやら昼食をとるお店が決まったようなので、ほぼ聞いていなかった私は後ろを着いて歩く。
風船を離さないようにと大事そうに持ってる子供、それを微笑ましく見守っている両親、寄り添いながら歩く彼氏彼女が横ぎっていく。
幸せなんだろうなー、とどこか他人事のように考えた。
「いらっしゃいませ~」
それぞれ注文したメニューを会計のレジ横で受け取り、天気が良いからとテラス席で食べることに。
「美味しそうね!いただきまーす」
「飯だ飯!」
待ってましたと言わんばかりに目を輝かせて大食い2人が真っ先に料理を頬張る。


