ソファにふんぞり返り、ひじ掛けに腕を乗せて頬杖をつく碧音君はまるで王様。
そんな姿も様になってます私を見下してぇぇえ!碧音君の冷ややかな瞳で私を見てぇぇえ!
つい興奮して、パスタにかけるカルボナーラのソースを床にぶち撒けてしまうところだった。
危ない、危ない。気をとり直し、均等にソースをかけ、更にブラックペッパーを振りかけていく。
「あー。涼しい」
星渚さんがわざとらしく、皐月に涼しげな表情を見せつける。
「ずりい!こっちにも風を当てろ」
「やーだね」
「勝負したのが自分の浅はかな考えだったって、反省すれば」
「碧音君?言葉をオブラートに包んで言えないのかな?」
「じゃんけん弱い自分を認めればこうはならなかったかもな」
「ちっげえよ!逆にストレート過ぎるわ」
ああもう、2人共面白い。碧音君が静かにさらっと毒舌を吐き、皐月が負けじと言い返す。
「ほらほら皆さん、ご飯出来あがりましたよ!」
テーブルに出来あがったカルボナーラとフォークを並べる。
「碧音も本当は扇風機に当たりたいんじゃねえの?けど痩せ我慢してんだろ」
「…………、え?」
「本気で“何言ってんの?”って顔すんなよ!」
「はいはい、皐月も碧音も、一旦終了。飯出来たってさ」
藍さんが仲介に入り、早くご飯を食べようと促してくれる。さすがです、藍さん。星渚さんも扇風機の前から移動して、透明な椅子を引いて座った。
「今日は藍さんのリクエストで、カルボナーラを作りました!」


