「碧音も香澄も、距離近すぎだから」


「見せつけられる俺らの身にもなってよね、まったく。ねぇ?皐月」


「そうだそうだ!せっかく皆でいるんだから全員で話そうぜ」


俺と同じ考えの星渚が加わり、更に皐月も文句を言う。皐月は2人だけの世界に入ってる碧音に胸を痛める明日歌ちゃんのために、ひいては自分のために抗議したんだろう。


「何でよー、今更じゃない。昔だってこのくらいじゃれてたわよね、私と碧音」


「昔は昔、今は今だからね。香澄」


「外国行ってきて激しいスキンシップに慣れたせいで片瀬自身もそうなってるかもしれないけど、ここ日本だから」


「はいはい、分かったわよ」


香澄は仕方ないといった様子で碧音から体を離す。それと同時に、明日歌ちゃんの眉間の皺が無くなったので一安心。


―――それから皆でゲームしたり香澄の話、俺らの話と色々語っているうちに時間が経ち、そろそろ帰ろうかという空気になった。


「結構長居しちゃってたね~、俺ら」


上着を羽織って身なりを整える星渚。その上着は、確か菜流ちゃんが誕生日プレゼントに選んだものだ。


「香澄さんの話聞けてよかったっす!勉強になりました」


「そう言ってもらえると、こっちも嬉しいわ」


「また聞かせてください!」


「香澄さん、お邪魔しました」