キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



もう皆で仲良く扇風機を使えばいいのに。


「さーいしょはグー、じゃんけん」


ぽん、の後3人供一瞬黙る。


「っ負けちまった……!」


「いい加減、自分がじゃんけんの1発目でいつも同じやつ出してるって気づけよ」


「皐月残念ー」


私の位置からでは、3人がそれぞれ何の手の形を出したかは分からないけど、皐月1人が負けたことが態度で見当がつく。


前にも、皐月は誰が買い出しに行くかを賭けたじゃんけんで、負けていたのだ。どうにも弱いらしい。


「刹那と俺でじゃんけん。最初はグー、じゃんけん」


どっち?どっちが勝ったの?パスタをお皿に盛り付ける手を止め、爪先立ちで覗く。


「は~い、俺の勝ち。残念だったね刹那」


「まじか」


勝者は、星渚さん。碧音君は渋々立ち上がり、ソファで寛いでいる藍さんの隣に座った。


「皐月もあっち行ってー」


「くっそ!…………分かった、3回勝負にしようぜ。後2回じゃんけんして勝った奴が扇風機独占」


「往生際悪いな皐月」


「碧音だって最後まで粘ってたじゃねえか!」


「今はこうやってどいただろ」