キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



そりゃそうだ。LIGHTはライブのとき仮面つけてたから顔も知らないし、何年か経てば身長とか外見だって変わってるんだから。


「俺は、LIGHTのボーカルの歌がずげぇ好きだった。歌い方も、声も」


「皐月、よく私に聞いてきたわよね。ボーカルの子ってどういう子なのか、名前は何なのか、とか。LIGHTの世界観を壊さないために教えなかったけど」


バンドの世界観を壊したくないなら片瀬自身が俺達と関わってきたのはいいのか、って話だけど片瀬的にバンドの核となるのは歌だからボーカルのイメージを壊さないことが1番大切だから自分はいいのだと言っていた。


ただ単に、どうしても俺達と直接会って色んな話がしたかっただけだけどね、と付け加えて。


「あの声に囚われてる時間が、好きで堪らなかった。まじで、笑えるくらい」


「うん。皐月、LIGHTのライブ毎回食い入るように聴いてたよな」


「話しかけてもぜーんぜん気づかないしね」


でもそれくらい、歌声が魅力的だった。誰かが真似しようとしても出来ない独特の歌い方が特徴で。


「はぁー……」


深く息を吐き、オレンジに染まった空を仰ぐ皐月。