今はこうして明日歌ちゃんを気遣ってバカやってるけど。
片瀬が現れて明日歌ちゃんが実は昔人気だったバンド――しかも、俺達の目標でもあったバンドのメインボーカルだったと知り1番衝撃を受けていたのは――皐月だった。
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片瀬の提案で近くの公園に行き、話し合いをしていて暫く経った頃。
「……じゃあ私、そろそろ帰るね」
ぎこちなく手を振って公園を出ていこうとする明日歌ちゃんを、ずっと片瀬の隣にいた刹那が『俺が送ってく』と言い追っていく。
その様子を眺めていた皐月が、ふっと表情を困惑の色に変える。
「あいつが……、LIGHTのメインボーカル」
明日歌ちゃんがこの場にいる間はいつも通りのテンションで気丈に振るまってはいたけど、その作り上げた仮面が剥がれた。
分かるよ、皐月がそうなる理由。藍も色々察してる。
「確かに、今までもたまにあれ?って思うことはあったんだよ。あいつめっちゃ歌うめぇし、声もLIGHTのボーカルに似てるなとは感じた。でも、まさか本人だなんて思うわけねぇじゃん」


