私は青みがかった灰色の瞳はすごく綺麗で魅力的だと思っていたけど、碧音君にとっては過去を引きずり出す道具に変わりない。 「あの人達は、俺にとって」 艶やかな黒髪をクシャリと乱す。 「――――恐怖の対象でしかなかった」 双眸に浮かぶのは、悲哀の色だった。