「バカな奴、自分から1人になってくれるなんて」 ねっとりとした声が鼓膜に張りつく。 「手が、届く」 「今すぐ捕まえたい」 「捕まえようよ」 歪で黒い影が、ヒタヒタ、ヒタリ。 ―――もう、背後に迫ってる。 カウントダウンが、始まった。