予想通りお母さんが張り切って作ってくれた分夕飯の量は半端じゃなく大盛りだったけど、美味しくて完食。
優希は俺の倍食ってて、こいつの胃はブラックホールなのかと疑わざるを得ない。
「藍、気をつけて帰れよー」
「それ男にじゃなくて女子に言う台詞」
「藍は女子くらい細いから変質者に間違われんなよな!」
「うっさい」
これでも筋肉はついてきた方なんだ。
律儀に外へ出てきて見送りしてくれた優希に手を振り自転車で向かったのは、胃薬を買うための薬局―――ではなくケーキ屋。
優希と夕飯を食べてる時、思った。
今日は誕生日だけどケーキは用意されてないのは確実、なら俺がケーキを買っていって揃ったら食べようかと。ホールは無理だし、1人1個で。
今この時間なら結人もお父さんも帰ってきているはずだ。結人達が好きそうなケーキって何だっけ?
悩みつつケーキを選び4つ箱に詰めてもらい、箱が斜めになってグッチャにならないように神経を使いながら家に着いた。
「車は……?」


