キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



「藍も食べるって言ったら、母ちゃん張り切って夕飯の準備してたぜ。藍はあんま食わねえっつったのにさあ」


「いいよ、限界まで食べる」


「でも誕生日に食い過ぎで腹痛くなったら笑えるよな」


そしたら帰りにドラッグストアに寄って薬買うし。せっかく作ってくれたものを残すのは嫌だ。


「夕飯まで何する?他のゲームやるか?」


「他のやつって?」


「じゃじゃん!最新のゲームソフト」


「知らないそれ」


「おまっ、知らねえのかよ。話題作じゃん」


俺は家でテレビゲームをやらない、というかそのゲーム機が無い。


親を好きじゃないのにそういう時だけ甘えて買ってと頼むのは都合が良すぎるし、ゲームを買えるお金があるなら部費や他の方に使えばいいと思ったから。


「早速やろうぜこれ!超面白いから」


「俺が勝っちゃうのがセオリーだな」


「藍は初めてやるゲームでも上手く出来るもんなあ、ずりいー」


「器用だからね」