自分で大人っぽく振る舞おうとはしてないけど、どうしてか周りにはそう思われてるらしい。
俺まだ中学生ですよ。長男だから?……あまり関係なさそうだ。
「お前が良ければ、夕飯家で食べてく?」
「まじ?」
「おう。食ってけ」
優希には少し家の事情を打ち明けたことがある、だから気を遣ってくれたのかもしれない。素直に好意を受け取っておく。
「ちなみにメニューはオムライス」
「超好き」
「おっしゃ、母ちゃんに言ってくるから待ってろ」
優希が『母ちゃーん!藍があ』とここまで聞こえてくる大音量で伝えている。
優希のお母さんにはお礼言っておかないとな。お母さんも優希と似ておおらかな人だしきっと『たっくさん食べてきな!』って言う。
床にだらしなく寝転がりゴロゴロしていたら、足音がドタドタドタドタ!忙しなく部屋に向かってきた。
お前は家の中でくらい落ち着いて行動しろよ。


