「ただいま」


「兄ちゃんおかえり!」


家に帰ってただいまと言っても返事をしてくれるのは弟の結人だけ、お母さんは何も言わず洗濯物を畳んでいる。


顔くらい、見てほしい。


「兄ちゃん、ほら」


帰ってきて早々トテトテ覚束ない足取りで俺の方に歩いてくる結人。手には白い画用紙を持っていた。


「描いた、兄ちゃん」


「へー。上手いじゃん」


正直目も大きさが左右違うし顔に対して体小さいし、辛うじて人間だと分かる絵。


でも、小2だってことを考えればその中では上手な方、なんだと思う。


「俺に絵くれるの?」


「うん、あげる」


「ありがとな」