キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】




「俺達もmidnightじゃない場所でライブしてる刹那見たかったから。内緒で来てあげたよ」


「俺らがしたアドバイス、ちゃんと実行したか確認してやるよ」


「碧音は碧音らしく。な」


3人にぽん、と背中をおされる。大きくて、頼もしい手。


「私は明日歌みたいに軽音の練習行ってないから、刹那がリードギターやってるとこ見るの楽しみ」


「碧音君。大丈夫だよ」


皆が純粋に応援してくれてるんだって思ったら、胸の奥がじんわりあたたかくなった。出来る。


「……もう始まるから、行ってくる」



「いってらっしゃい!碧音君!」


満面の笑みでそう言う明日歌。あいつがくれたお守りは、ちゃんと持ってきてる。力強く頷いて、舞台袖に戻った。


暗幕をくぐると雨宮先輩に手招きされて、全員で円陣を組む。


「今日のステージ、お客さんに楽しんでもらえるように精一杯頑張ろう」


「うっす!」


「緊張しますけど、頑張りますっ」


文化祭ステージスタッフの邪魔にならないよう、声を小さくして各々意気込みを語っていく。