キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】




「あっあの!高瀬皐月さんですよね?良かったら一緒に写真撮ってくれませんか?!」


「ら、ら藍さん!midnightのライブ観ました。超格好良かったっす!」


「あの人たちイケメン……っ握手してもらえるかな?」


女子と男子の輪の中心にいるのは、皐月に藍、星渚と菜流。


じゃああの変態はどこにいるんだと見回せば、輪に入りたい人に押し退けられあたふたしていた。切ないなお前。


「キャーッ!!高瀬さんと写真撮ってもらっちゃった」


「次、私と撮ってください!」


「はいよー。って、そんな離れたら写んなくね?こっち寄りな」


相手と程よく会話しつつも写真待ちしているファンを捌いていく皐月。


ライブ終わったら『モテる男はつらいな。俺って罪な男だわーやばいわー』だとか言ってくんだろ。側にあるプールに突き落としてやりたい。


「……ねえ、紀藤先輩に話しかけてきてよ」


「あんたが行ってきてよ。同じ高校だったんでしょ?」


ファンが近づけない理由は、星渚の隣にピッタリくっついて隣に座っている菜流が原因。


主に女子を威嚇するために菜流が星渚の腕に絡みつき、近づくなとアピール。


星渚も星渚で可愛い妹のことしか眼中にないのだ。


お前らイチャつくなら他でやれよ。ライブ観る気ねえよな。