キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】




「ま、それもそうか。刹那もなびくわけがないし」


接客中の碧音君を2人で見ていると、ちょうど注文した食べ物をメイド服の子が持ってきてくれた。


もちろん市販のジュースをコップに注いだだけだしクレープやミニホットケーキも普通のものだけど、文化祭の雰囲気で美味しく感じる。


きっと外でたくさん待ってる人がいるだろうからとさっさと食べて教室を出ることに。けどその前に。


「碧音君!」


タイミングを見計らって名前を呼ぶ。


「ん?」


「これ、渡したくて。明日はバタバタしてて会えないだろうから」


「……お守り?」


「うん。サイズは小さめに作ったから邪魔にはならないと思うんだけど。発表成功しますようにっていう、お守り」


碧音君に渡したのは青色の布で作った小さなお守り。なかにはパワーストーンを入れておいた。