「碧音君、このコスプレって、自分がやりたいやつ選んでるの?」
「大体はそう。でも俺は強制的に執事だったし衣装も用意されてた」
何でだろ、と首を傾げる碧音君に菜流は『この企画を提案した子の意図が分かる気がする』と悟ったような表情。
もしこの執事姿の碧音君が外で宣伝でもしようものならどっとお客さんが押し寄せるに違いない。
「刹那ー!次こっち接客お願いね」
「今行く。じゃ、適当に楽しんでって」
「碧音君もお疲れ、接客頑張って」
「あと何人の女子を落とせるか楽しみにしてるわ」
碧音君は『さあね』と小さく呟いて他のお客さんの接客をしにテーブルを離れた。
「うちのクラスも結構人来てるって思ってたけど、7組が優勝だねぇ」
「もし今日お気に入りの子ができたら明日も来てくれそうだし」
「刹那目当ての女子絶対来るでしょ。妬けちゃうね、明日歌?」
「碧音君の執事の格好に惚れない女子はいないし気持ちは分かるから、妬けるっていうか、しょうがないよねって思う」


