その毒舌と執事の格好の組み合わせすら魅惑的に思えるから罪深い。
「んじゃー俺が代わりに接客しようかな!久しぶり紀藤さん、橘さん」
ひょこっとあらわれたのは海賊のコスプレをした桐谷君だった。
「へぇ~、桐谷は海賊の格好なんだ。しかも本格的じゃん」
「似合ってるよ!」
桐谷君はあの有名な海賊のコスプレで眼帯までしてる。その格好で接客って面白いな。
「さあ早くメニューを決めろ!さもないとじゃないとこの人質の命が危ないぞ……なーんてね」
腕に付けたフックを私の首元にあてて菜流に海賊っぽい台詞回しで言う。
「あははっ、じゃあ明日歌のために早く決めないとね。オレンジジュースとチョコクレープで」
「私はりんごジュースとミニホットケーキでお願いします」
「はいよ!ちょーっと待っててな」
桐谷君は二カッと笑って仕切られた奥の方に入っていった。


