ああ、やっぱり碧音君のギターが入ると全然違う。別格だ。
いつもは中心にいて歌ってる碧音君が藍の位置にいるのが新鮮。でもちゃんとこのバンドの雰囲気に溶け込んでる。
短期間でここまで細かい部分を修正できるなんて。白石先輩も演奏に見入って、時折力強く頷いている。
「—―リフレインしたらもう飛べるでしょ、2人で—―」
雨宮先輩が最後まで歌いきって終了。皆も手ごたえを感じているのか明るい表情だ。
「……明日歌、どうだった」
「カウントも皆合ってたし最後まで崩れてなかったよ。いい演奏でした!」
「俺も同じ意見。文化祭までに細かい部分をすり合わせれば言うことなしだな」
白石先輩がそう言うと、美和ちゃんが『よかったぁ~』と涙目で床にへたり込む。
「最高だわmidnightの刹那がギター弾いてるとここんな間近で見れたの嬉しすぎる!」
「そんなことでいちいち喜んでる場合ですか」
「真、あんた刹那君じゃなくて自分の手元見なさいよね」
「安心しろ両方見る!」
両方見るって器用ですね。見たくなる気持ちはものっすごく分かるけど!
「今日はこの辺で終わりにしましょう」