「明日歌ちゃんもお疲れ様」


「また来週ねー」


2人を見送ってから、反対方向に体を回転。


「じゃ、私も帰ろっと」


家に向かって歩き始めようとした、ら。


「よし明日歌!これからあそこ行くぞ」


ガシッ、皐月の腕で首をホールドされた。私すごい間抜けな体勢になってる気がする。


何なんだ一体、と慌てつつも皐月の言うあそこにグルリと首を回す。それは、橋を渡った向こう側の道路沿いに建てられているカフェ。


「あの店のコーヒー、まじでうまいんだよ。だから行こうぜ!」


「いや、別に私と行かなくても」


「1人より2人の方が良いだろ?藍達は皆用事あって付き合ってくれないし、しかも今日夫婦かカップルで行くと割り引きになんだよ。だから、お前と行く」


言い分は最もだけどさ、突っ込みたいところがある。


「今、カップルで行くと割り引きって言った?」


「言った。俺とお前で付き合ってるフリして行けばよくね」