スカイブルーにコバルトブルー、光の当たる加減で色が変わるそれは、ライブの時にだけ身につけているもの。
「皐月、碧音。準備出来てる?」
控え室の窓からひょっこり顔を出す藍。
「いつでも行けるぜ!」
「うん。大丈夫」
ガラリ、ドアを開け室内に入るなり直ぐに扇風機の前に立った。やっべ、超涼しい。クーラーなんてものは無いけれど、扇風機の風で十分だ。
「midnightの皆さーん、お願いします」
スタッフから声がかかる。やっと俺達の出番だ。楽しさと興奮で背筋がゾクゾクしてきた。この感覚がたまんねえ。
ライブの間観客を、広いステージを、時間を支配し思いのままに出来るのは俺達だ。
「皐月、刹那、藍」
星渚が1人1人の名前を呼ぶ。4人でお互い目を合わせる。
「アンコールに必ず呼ばれる。で、もう1度ライブやるよ」
「あったり前だろ!」
「力、出し切ろうな。俺達なら出来る」
「やろう、アンコール」
各々返事をすると、星渚が満足気に頷いた。
「―――――行こうか」
星渚の合図で、外へ飛び出す。
大勢の観客がいる、ステージへ。


