「おーい結人!入場までもう時間ない!」
「マイペースだよなー」
やたらテンションの高い声と落ち着いた声が、結人さんの背後から聞こえてきた。
結人って呼んだんだから、友達だよね。結人さんが体の向きを変えたことで、2人の姿が露になった。
「メールも電話もしたじゃーん!気づけよな……て、あれ?その子友達?」
「知り合い、かな。ね?」
「は、はい!」
この人達もなかなかのイケメンだ。類は友を呼ぶとはまさにこのことか。
「可愛い子と喋りたくなるのは分かるけどライブも大事だろ!君も早く買って戻った方がいいよ」
2人のうちテンションが高い方の人ににこっと微笑まれる。
「ありがとうございます、早く買っちゃいますね」
「じゃあ俺達は行くね」
結人さんはジュースをそれぞれに渡して背を向けた。私も選んじゃおう、と自販機に向き合ったとき。


