キスと涙で愛を知る【加筆修正・完】



靴もデザインが凝っていて、色使いに遊び心がある。自分の魅力を最大限に引き出してますこのお方。


「あの、私midnightのファンでよく練習見学させてもらってて」


「だからスタジオにいたんだ?」


「そうなんです!」


「今日もライブに応援に来たってことかな」


「は、はい」


目の前の柔らかな表情、オーラの結人さんを疑わずにはいられない。え、だって藍と言い合ってた時と違い過ぎません?


あの時は、もっと刺々しくて優しさを削いだ感じだったよね。振り幅が大きくて動揺が隠しきれない。


今の結人さんは、藍の雰囲気とほぼ変わらないじゃないか。っていうか、それにも吃驚したけど重要なのは別のことだ。


「ここにいるってことは、結人さんmidnightのライブ観に来たんですか?」


じゃないと、こんな偶然ないと思う。結人さんは相変わらず人当たりの良い笑みは崩さない。


「んー。友達に付き合って来ただけ」


サラッと否定されてしまった。