「どうでもいいんじゃん」


「よくないわ。第一印象大切だぞ」


高瀬さんが口元を引き攣らせる。


いや、うん。私も思わずえってこぼしそうになったよ。碧音君以外『短い!』って心の中で突っ込んだ間違いない。


「俺が優しくアドバイスしてやってるんだぞ。ありがたく思え」


「聞こえない」


「てめっ……!」


「明日歌ちゃん、俺牧田藍。ギターやってる。ライブ来てくれてありがとう」


「いえいえ!こちらこそ、楽しませてもらいました」


さくっと高瀬さんを無視し、牧田さんは優しく挨拶してくれた。


一番身長が高く、マロンブラウンの髪に緩いパーマをかけ、小さいピアスが両耳に1つずつ。


若干のたれ目が、柔和な印象を与える。


「牧田さんは大学何年なんですか?」


「星渚と同じ2年。ちなみに皐月は一個下の1年ね。あ、牧田さんって呼ばなくていいよ」


「なら……藍さん?」


「さん、は取れないんだ」


「あはは、そのうち取りますね」