「分かったよ。その代わり7時には帰るから」
「うん!」
僕の言葉に彼女は嬉しそうな顔をした。
ずっとしたかったんだ、なんて言いながら提案してきた打ち上げの内容は、コンビニでお菓子を買って夕日を見ながら食べるというものだった。
そんなの今時、小学生でもしないような打ち上げに彼女は目をきらきらと光らせる。
まったく、やっぱり彼女の考えは理解出来ない。
僕達は近くのコンビニでお菓子を買うと、学校の通り道にある小さな丘の頂上に腰を下ろした。
ビニール袋からお菓子を取り出して袋を開けながら、彼女は言う。
「どうせなら、映画とかの方が良かったかな?」
「どうして打ち上げで映画になるんだよ」
「いや、どうせ見るなら動いてる映像の方がいいのかなって思って……」
「別に、景色見てるのは嫌いじゃないし」
そもそも夕日を見るってこと自体、打ち上げらしさは無いのだからそこは気にするところではない。
「キミはさ、この夕日を見てる時どんなことを考えているの?」
スナック菓子のさくっという音を響かせて尋ねる彼女。
「別に何も考えてないよ」
「人ってね、ゆっくり何かを眺めている時間が本当の自分と向き合ってる時なんだって。昔お母さんがそう言ってた」


