さっきの話、聞いてなかったのか。
そう答える前に彼女が言った。
「私たちだけで打ち上げしようよ」
「なんで」
「だってせっかく頑張ったんだしさ、なんかしたいじゃん」
「別に、頑張ってないし」
「そう?一生懸命走ったじゃん。サボってないでしょ?真面目にやったでしょ?ねぇ、お願い!打ち上げしたいの!お願い」
彼女が子どものように駄々をこねて、頼み込んで来る。その行動に呆れ困り果てていると、後ろから僕達のクラスの集団がやって来た。
「こっち来て」
僕は彼女の手を引くと、校舎を出て物陰に隠れた。
「打ち上げする気になった?」
「しっ」
クラスの集団が過ぎ去るまで静かに待つ。
こういう時にふたりでいて、それも打ち上げしようなんて言っているのを聞かれたら、この後行われるクラスの打ち上げで話のネタにされるに決まっている。
僕のいないところで、勝手な噂が出回るのはごめんだ。
「やっと行ったか……」
ようやく去っていく集団を確認すれば、僕はほっと胸を撫で下ろした。
そんな僕の様子をあまり気にすることなく彼女は言う。
「で、一緒にしてくれる?」
彼女はそんなこと、気にもしてないようで、そればっかりを繰り返す。
きっと行くって言うまで帰り道もしつこくついて来るだろう。


