プラネタリウム

えっ?赤葦くん運んでくれるの?聞こうとした時にはスタスタと教室を出て行ってしまう。小走りで追いかける。

「いいよ!自分で運べるし!!」

「いや、ここまできてそんなこと言われても」

そう返される。

「じゃあ半分もつ」

そう言い返すと、

「考えても見てよ、ワークを半分女子にもたせてる男ってかっこいい?」

いや、そういうことじゃなくて、、、
赤葦くんは基本無口だ。表情に感情が現れることもあまりない。何を考えているのかわからない。

「いや、かっこいいかどうかじゃなくて…」

そう言いつつふと彼を見上げる。背高いなぁ。

「加藤さんって背低いよね。」

突然そんなことを言われる。そんなことわかってますよ!!!

「うるさいな、悩んでるんだから言わないでよ。」

そう反論すると、赤葦くんは目線だけこちらに向けて、少し。ほんの少し目を細めて微笑んだ。気がする。

「背が低い女の子、可愛いと思うよ。」

あぁ、これか。この言葉を言ってくる人はたくさんいる。でも知ってる、この言葉は慰め、気にしなくていいと思うよという気持ちのこもった、お世辞にも似た言葉。この言葉を何度も聞いてきた。最初の方こそ、そうかな?なんて照れたりもしたけど、今となっては言われたくないワード一位である。

「そう。」

少し冷たく返しちゃったかな。なんて反省していると、絵の前は職員室。赤葦くんはガラッと扉を開けて、コーヒーの匂いが漂う、独特の雰囲気を放つ職員室に入る。私も後に続いてニッシーの元へと歩く。
ワークを提出して職員室を出ると、赤葦くんはスタスタと教室に戻って行ってしまう。またも小走りで追いかけ、「ありがとう」とお礼を言った。

「どういたしまして」

それだけ返ってきた。


これが、私たちの出会い。