朝特有の澄んだ空気が開けた窓を通して部屋に入り込む。若葉の匂いか鼻腔をくすぐる。
鏡の前で、まだ固い制服に袖を通す。あぁ、この感じ。春だ。真っ白なキャンパスにこれから色を塗っていくような、そんな高揚感とともにボタンを留める。肩下辺りまである髪の毛にアイロンをかけたら、準備は全て整った。
私立星城学園高等学校。都内では随分と有名な私立高校だ。明るめの紺のジャケットにピンク色のチェックのスカート。スカートの色に合わせたのであろうピンク色のリボン。制服が可愛いと女子に人気のこの高校に、ちょうど1ヶ月前に入学した。
全ての準備を整えてリビングに向かうと、今度は白米の匂いが私の食欲をそそる。
「ご飯よ〜」
それだけ言うお母さんに、うん。と短く返事をして席に着く。
春。出会いと別れの季節とはよく言ったもので、この1ヶ月でたくさんの人と出会った。
ご飯を軽く食べ、洗面所へと向かう。
「…地味、かな」
もともと派手な顔をしていない私。歯を磨き終えるとふと自分の顔を見てそんなことを呟いてしまう。少しでも色味を持とうと、申し訳程度にピンクのリップを唇に乗せた。色付きリップは校則で許されていただろうか。と少しの不安を抱きながら。
自分の部屋にスクールバックを取りにいく。さすが私立と言うべきか、カバンも指定のもの。合皮でできた肩からかけられるような普通の手持ちカバンだ。
ふと鏡を見直すと、まだ馴染まない制服に身を包んだ私。少しでも高校生らしく見せようと、スカート丈を少し短くしてみる。
「あ…高校生だ。」
当たり前のことを口に出してしまい、少しの羞恥が押し寄せる。それを気にしないよう、足早に玄関へと向かった。
鏡の前で、まだ固い制服に袖を通す。あぁ、この感じ。春だ。真っ白なキャンパスにこれから色を塗っていくような、そんな高揚感とともにボタンを留める。肩下辺りまである髪の毛にアイロンをかけたら、準備は全て整った。
私立星城学園高等学校。都内では随分と有名な私立高校だ。明るめの紺のジャケットにピンク色のチェックのスカート。スカートの色に合わせたのであろうピンク色のリボン。制服が可愛いと女子に人気のこの高校に、ちょうど1ヶ月前に入学した。
全ての準備を整えてリビングに向かうと、今度は白米の匂いが私の食欲をそそる。
「ご飯よ〜」
それだけ言うお母さんに、うん。と短く返事をして席に着く。
春。出会いと別れの季節とはよく言ったもので、この1ヶ月でたくさんの人と出会った。
ご飯を軽く食べ、洗面所へと向かう。
「…地味、かな」
もともと派手な顔をしていない私。歯を磨き終えるとふと自分の顔を見てそんなことを呟いてしまう。少しでも色味を持とうと、申し訳程度にピンクのリップを唇に乗せた。色付きリップは校則で許されていただろうか。と少しの不安を抱きながら。
自分の部屋にスクールバックを取りにいく。さすが私立と言うべきか、カバンも指定のもの。合皮でできた肩からかけられるような普通の手持ちカバンだ。
ふと鏡を見直すと、まだ馴染まない制服に身を包んだ私。少しでも高校生らしく見せようと、スカート丈を少し短くしてみる。
「あ…高校生だ。」
当たり前のことを口に出してしまい、少しの羞恥が押し寄せる。それを気にしないよう、足早に玄関へと向かった。