……ぃ………す…………ぃ……
んー、誰だ、私の名前を呼ぶのは……
『…翡翠‼︎ おぃ、いい加減に目を開けろ』
ん、この声は……
ゆっくりと目を開ける。
そして、上半身だけ身を起こす。
そこには、最後に会った時からまだ1日も経ってないのに、懐かしさを感じるヤツがそこにいた。
そう、ブールがいたのだ。
「っ‼︎ ブールっ‼︎‼︎」
私はガバッとブールに抱きつく。
あぁー、この毛並み…
大きくて、ふわふわで、あったかくて、安心する…。
『……ヮウー………もういいか?』
おっと、ずっと抱きつき過ぎてたみたいだ。
でも、ブールも私に会えたことには嬉しかったようで、フサフサの尻尾が揺れているのは見逃さなかった。
「ところで、ここはどこなんだ?」
『ここは、精神世界だ。
まぁ、簡単に言うと寝る時に見る夢のようなものだ。』
精神世界という言葉にはまだ出会ったことがなかった私に、わかりやすく説明してくれるブール。
「ふ〜ん」
『なんだ、自分から聞いといて、あんまり興味なさそうだな。』
「うん、あんまり興味はないかな 笑」