孤高のラプソディー



すると、涙を目に溜めて抱きついてくるツィアンス。


それに、慣れない手つきで頭を撫でる翡翠。


今更だが、この子はどう見ても子供なのに、どこにも家族がいない。

パステルカラーの緑っぽい、自身の膝あたりまである髪を下の方でツインテールに結っていて、

前髪が、左半分を覆うようにおろされている。

片目は、深い綺麗な緑の目。


オレンジ色のワンピースのような感じの服を着ている。

とても、可愛らしい女の子だ。


と、翡翠は思い出したかのように、

「そういえば、聞きたいことがあっ……っ⁉︎」


急に突風が吹く。

2匹の子狼と、ツィアンスを守るように風の方向に背を向ける。

少しして、風が止む。

振り向くと、黒くて禍々しい、さっきの子狼たちが苦しんでいた時のような雰囲気を醸し出している、

いや、それ以上のヤバい雰囲気を纏った……


人? いや、信じたくはない。

そんなはずはない。

それは神話の中とか、ファンタジーの世界だけじゃないのか?

でも、思い返すと今までのことすべてが、ファンタジーだった。

ということはこれも現実?

そう、

そこには、

綺麗なくらい真っ黒な短髪の髪型をカッコ良く決めた、そして、飲み込まれそうなほど真っ黒な、ふたつの瞳。

怖いくらいに綺麗な顔立ちに、

真っ黒いスーツのような服を着た、人間のような、









悪魔が立っていた……