「うわあああああああああああああ!」
 絶叫。
 それがきっかけとなり、その場の張りつめた空気を破壊した。
 飛び交う悲鳴や怒号。暗闇なので、誰のものか区別がつかない。
 この場から逃げようとみんなは必死になって動こうとするが、目の前が見えないために椅子を弾き、机を薙ぎ倒す。
 まるで台風のようにあらゆるものが吹き飛ばされる中、繋いでいる手だけが離すことができなかった。
 それがさらにパニック状態を加速させている。
 手が不自由なまま暴れているので、体のいたるところをぶつけた。
 恐怖と痛みで涙が出そうになる。
 手さえ自由になれば、と全力で振り回す。
 けれどもそれは繋がれたまま。
 すると、K君も同じようにしていたら、たまたま机の角へと手がぶつかった。
 その瞬間、ボキッという鈍い音と共に手がほどけた。
 自由に動ける。
「カーテンを開けろ!」