蝋燭の火が突然消えた。
 サッと全員の背筋に鳥肌が立つ。
 静けさがその空間を支配した。
 空気が張りつめ、誰もが動けなくなる。
 ドアも窓も締め切っているので、風なんて入ってくるわけがない。
 もちろん誰かが息を吹きかけて消したわけでもない。
 本当に何の前触れもきっかけもなく蝋燭の火が消えたのだ。

 まさか、守護霊様が来たのかもしれない。

 K君の頭にはその考えが浮かんだ。
 それならば、と彼は少し怯えた様子で虚空に向かって尋ねる。
「しゅ、守護霊様……?」
 その途端に肩を強く掴まれた。