「ね、ここで雨宿りしよ。」
『 いいよ。 』
ゆなからの提案で、近くにあった神社で雨宿りをさせてもらうことになった。
「あらあら。こんなに寒いのに傘も持ってないなんて大変ね。」
巫女さんがそう言いながら私たちに飴をくれた。
「ありがとうございます。」
『ありがとうございます。』
「いいのよ。5時になったら閉めるけれど…それまででよければ、中に入る??そんなところにいたら、風邪引くから。」
そんなところ、という言葉に反応して自分達の居場所を確認すると、そこは雨漏りの激しい売店の屋根のしただった。
「いいんですか??」
「ええ。本当は雨がやむまで開けておいてあげたいんだけれど……今日はこのあと用事があってね。」
『いえ、大丈夫です。ありがとうございます。』
巫女さんの言葉など聞かずにずかずかと中に入って行くゆなを横目で見ながら、私も靴を脱ぎ始めた。