『今日はツイてない…』
窓の外でザァーーと音を立てながら降る雨を見ながら呟く。
「あーら、雨降ってきちゃったか。」
『ね、傘忘れたんだけど。』
隣にいるのは友達のゆな。
そして私は川嶋梨々香。
とある田舎の高校に通う、高校一年生である。
『ダッシュで行けば、帰れるかな。』
「無理。今日、お父さんが道路の工事中とか言ってたから、いつもの道は通れないよ。」
『 え、…最悪…。 』
「 ま、とりあえず帰ろうよ。 」
『 …そうだね。 』
本当に今日は、ツイてない。
なんで今日に限って……
心のなかで悪態をつきながら、
スクバを頭の上に乗せ、雨の降る道へと足を踏み出した。