夏も終わりに近づき外も寒さを増しているある日強行犯係の係長、桜井 武瑠は部下の一人蔵長 海富(くらなが かいと)と話していた。「申し訳ございません。僕のミスで」「いいんだ。もう、明日からは気をつけろ」桜井はそう言い残すと部屋を出た。海富の相棒の若蔵 剛志が外で待っていた。「係長。あの…」「大丈夫だよ。しかし、何があったんだ。俺に来てる情報と言ったら海富が、捜査一課長の息子さんと大喧嘩したということしか」桜井は、若蔵の顔を見ながら聞いた。「あ、はい。海富が、張り込んでいたのが捜査一課長の息子さんの友人らしくてそれで口喧嘩から大喧嘩に発展してしまって。僕が付いた時はもう殴り合いの喧嘩になっていて」若蔵は、下を向いて言った。「あいつらしくないな。」桜井は、心配そうに言うとその場を去った。