淡 片 想 ( あわかたおもい )


ゆうに手を引かれるまま歩いていくと、

すぐ近くの交差点で

千里の姿を見つけた。


「あーーーー!!!!ちさとっ!!!!」


ゆうが大きな声でふたりを呼ぶと、

「うるっさああいっ!

まだ朝6時!!!近所迷惑だよ!!!」

と厳しく千里が叫んだ。

あれだけ大きな声で叫んだら

千里も人のこと言えないじゃん、と

ゆうと小さく笑っていると、

向かい側から凪咲がやってきた。

「あ、なぎ。おはよ~~」

のんびり私が言うと、

凪咲は小さくて可愛い声で、

「おはよう、ゆずちゃん」

といった。