淡 片 想 ( あわかたおもい )



「反則だわ、、まじ、、」

上原は凪咲には聞こえないくらいの

小さな声でつぶやく。

ほんとこいつは凪咲に弱い。


私たちは気付きもしなかったけれど

普段なら

はずかしい時以外

赤くならない凪咲の頬が

いつもより赤く、小さな声で


「……上原くん、かっこいいね」


と呟いていたことなんて

誰も知ることは無かった。