「いっやー、ワックワックするなー、
な!クレイオス!」
「そー思うのはギルだけだろ。
俺、呪いの森初めてなんだけど……」
不安だ、と小さな声で呟くクレイオスにちょっと吃驚。
クレイオスほどの魔力なら、暴走したランクの高い魔生物の討伐をしたり、ミズガルズとも国境近くの警備をしたりする、通称特選討伐隊という組織に声をかけられて、任務を遂行してそうなのに……
「大丈夫だよ、クレイオスー!いつもどーりリラックスしてこ?」
エラちんがにっと口元を上げて言う。
おう。と仏頂面で応え、スタスタと先を歩くクレイオス。
いやはや、クレイオスは分かりやすいなー!
口元ヒクヒクしてるし?
エラちんのことが気になってるのバレバレ!でも、エラちんってミステリアスっていうか、鈍いっていうか、気づいてなさそう。
待ってよーって言ってクレイオスを追いかけてるし…
ムッフフー!
ここは俺っちが恋のキューピッドになるしかないやろー!



