-30cmのセカイ


「へー!茉優ちゃんと彩優ちゃんってんだ!
よろしくね!」



…さっきからハニーブラウン君(勝手に命名)ばっかり喋ってるなー。



「オレは桐谷藍斗(きりたにあいと)!双子の弟の
ほうでっす!…で、この無愛想なのが桐谷唯
斗(きりたにゆいと)!兄の方。」




桐谷藍斗くん……もとい、ハニーブラウン君は弟らしくて、さっきからひと言も話さずに若干のお辞儀しかしてないダークブラウン君は 桐谷唯斗くんと言うらしい。



彩優と茉優のわたしたちが言えたことじゃないけど、藍斗と唯斗って名前までそっくりじゃん…。



覚えづらいからハニーブラウン君とダークブラウン君でいいかな〜?





茉優が嬉しそうに仲良くなっている横で、そんな呑気なことを考えていた。






「…っあ!!!彩優!!クラス表!」





…あ。忘れてた。
本来の目的、イケメン双子じゃなくてこっちだった。






それから少しすいてきたクラス表の前へ行って見てみると、1-Bに小森が2人。




「やった…!茉優!同じクラスだよ!!」



「やーん!彩優と一緒じゃん!!よかった〜」



この学校は3年間クラス替えがないらしい。
だから今 茉優と同じクラスになれたってことは3年間ずっと同じってことで。



なんだかんだ言ってわたしは茉優がいなきゃダメなんだよね…。




こうして、もう関わることのないイケメンたちにほっとしながらわたし達はB組へと向かった。