──── 入学式から2週間。


学校にもようやく慣れてきて、同じ双子同士であり席も隣同士ってことで私達は4人で行動することが多くなった。



「唯斗くん!!!数学わかんなくって……教えてくれないかなあ?」



今日も茉優は唯斗くん狙いで頑張り中。

頼み方なんて、妹の私からしてもかわいいのに…



「…教えるの苦手だから、これ、見て。」


そう言って茉優にノートを渡すと席を立ってどこかへ行ってしまった。




「ん〜〜〜っも〜〜う!!!!唯斗くん難しいよお。でもかっこいいよお〜…。」



いなくなったとたん机にぺしゃっと潰れてため息。



「唯斗はな〜今までも女に心開いてこなかったからなあ〜。バレンタインとかも毎年 "いらない " の一点張りだし。」



「そんなあ〜〜〜〜!!…でもそんなクールなとこもいい…。」



悪戦苦闘中の茉優と藍斗くんの会話を聞いていると、休み時間があと残りわずかにせまっていたことに気づいた。




「あっ!わたしトイレ行ってくるね!」



「「いってらっしゃ〜い」」




さっきの授業から我慢してたんだっけ、とか思いながら2人の声を背に教室を出た。