そうして話しているわたしと藍斗くんの後ろで、茉優がダークブラウン君に一生懸命話しかけているけど…



「唯斗君って、彼女いないの!?」


「…いない。いらない。」


「好きな女の子のタイプは!?」


「女はみんな嫌い。」




…相当苦戦してるっぽくて。


たしかに、ダークブラウン君のあのクールで無口でイケメンなあたり、茉優のどストライクだもんねきっと…。



パチッ


質問攻めされてあからさまに嫌そうに顔を背けたダークブラウン君と、目が合った。



「…なに?」



「えっ…。あ、あの…茉優の双子の妹の…「彩優」」



─── え?




「…彩優、だろ?」



「え、あ、うん…」



覚えてたの?


どうして、私の名前なんて…。




「えっ!!!唯斗めっっずらし〜!!!お前極度に女嫌いだしみんな名前知らないぐらいの勢いなのに彩優ちゃんの名前覚えてんじゃん!」






「……うるさい。」





心なしか、ちょっと照れてるような気がするのは気のせい…?


ふい、っと目線を逸らした横顔はかすかに赤い気がした。




意外と照れ屋さんなだけなのかもな、とか思うとかわいく思えてきて、ひとり頬がにやけそうになるのを我慢してた。