「てか、"ハニーブラウン君"ってこの髪の色のことだろ。もしかして彩優ちゃん、オレの名前覚えてないな〜?」
と言って、いたずらっ子のように上目遣いで見てくる姿はやっぱりかっこいい。
あんなに歓声浴びるのもちょっと分かるかも。
「うっ…。ごめんなさい…。」
図星のわたしには返す言葉もなく、あっさり謝罪。
「まったく〜…。じゃあ、改めて。
双子の弟の桐谷藍斗。よろしくな、彩優ちゃん。」
桐谷、藍斗くん。
よし。覚えた。
「あ…。双子の妹の、小森彩優です。
よろしく、お願いします…。」
改めてお互いに挨拶をすると、「知ってる」なんて言ってまたハニーブラウン君 ───、桐谷藍斗くんは、優しく笑った。
