途轍もない光芒と衝撃に、肉身は吹き飛んだ。
 そして、セカイが、ぐるっと回転する。
 鼓膜、脳幹を劈く、けたたましいクラクション。耳触りな機械音。
 いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい
いいいいいいいいいいいいい・・・・・・・・・・・・!と、言う、阿鼻叫喚。
 美麗な光輪の描かれた宙へと、躯は飛び出した。
 -----ああぁーーーーー、
 わた、、、、、、、、しわーーーー・・・・・・。
 二秒後に、激痛。
 瞬く間に、全身の骨が粉砕される。
 背中から剥きだす、黄色い骨。さながら、背に無数の長剣を纏った、エイリアンのように。
 腹から迸る、鮮血。腸、血管、心臓・・・。大量の臓器の類。
 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ!!!!
 その至高の苦悶、最上の激痛は、口蓋の中で押し殺される。
 やがて、彼女の筋骨はアスファルトへ叩きつけられた。それは奇しくも、頭部だけを綺麗に保ったまま・・・・・・。
 たす、け、て・・・。
 小さな、脆弱な身体に、雹の雨が降り注ぐ。
 あれ程、美しかった少女の眉目、躯、天使のような笑顔、愛らしかった栗色の眼も、今では人間とでも分からない、ただの醜悪な深紅の肉片。食肉工場に置かれた、奇形児同然の姿だ。
 皮膚が破れ、血肉が噴き出し、紅色の漣の花のようになる。