「おい、やめろよ。
    その子痛がってるじゃん。」


その声に後ろを向くと爽やかな背の高いイケメンが立っていた。


「なんだよ、お前には関係ないだろっ!!」


「俺、一応黒龍の副総長やってるんだよ ね。こんな人がいる中で殴るのも嫌だから早く消えてくれない?ニコッ」


「こ、黒龍!?!?」


チャラ男は黒龍という名を聞くと足を震わせて逃げていった。


「キミ、大丈夫?」


「あ、はい。ありがとうございます。」


「ならよかった。でもこんなとこ一人でいたら危ないよ…何してたの?」


何故かその人は私の目をじっと見ている。


「人を探してるんです。」


「…そっか。なら気を付けてね。」


そう言って私を助けてくれた人は人混みの中に消えていった。