家庭科室に戻ると殆どの人がクッキーを焼いている途中だった。
「もう、みんな焼き終わった?
焼き終わった人は出来てない人を手伝ってね!」
調理部に入るつもりだし、仲良くなるために手伝おうかな。
「あの、手伝ってもいい?」
「え!?手伝ってくれるんですか!?ありがとうございます!!!!!」
元気で一緒にいると明るくなりそうな子だ。
でも、この子...クッキーの型取り最中なんだけど、型が取れてない。猫型なのに耳ないし!
「あっ、、、不器用なんです...それも破滅的な」
「大丈夫!練習すれば上手になりますよ!
実は私も不器用で、いっぱい練習しました!」
「そうなんですか!!自分も上手くなったらいいな...」
元は私も不器用だけど、練習していくうちにどんどん上手くなって料理が楽しくなった。
この子もどんどん上手くなるっていう嬉しさを味わって欲しいな...
「おおお!!今までに一番綺麗にできました!
ありがとうございます!」
一緒に形を取り続け、やっと全部できた。
それからその子と色々と話した。
後から分かったのは
その子は三浦 雪
と言う名前って事と
高校2年...年上ってこと。
前までは帰宅部だけど...2年になって料理に興味が湧いたそうだ。
体験希望者のきっかけに三浦先輩も入ろうっていう訳らしい。

