学校に近づいて行くほど
同じ制服の人が増えていく。
「同じ学校の人増えてきたね?」
「そうですね...さっきからジロジロ見てくる人はなんでしょうか」
「優馬に見惚れてるのよ。それくらいカッコイイじゃん。優馬」
「夏希に言われるのは嬉しいですけど...夏希も見られる原因でもあると思いますよ?」
「ふふっお世辞は結構ですよ〜」
校門を通り過ぎると
学校の壁に「入学、おめでとう」と飾られていた。
この速水高校には三年生しか入学式に参加出来なくて二年生は休みである。
「優馬!クラス表があるよ!一緒だったらいいね〜」
「そうですね」
クラス表の周りには人が沢山いる。
優馬は目が悪いのでメガネでも全く見えない。
私は身長が低くて...全く見えない。
近くに行こうとした私を引き寄せて優馬がヒョイっと私を持ち上げた。
「なっ!優馬、恥ずかしいって!」
「恥ずかしいなら、誰も見てないうちにクラス見てください」
優馬は私がクラスがどこか見るまで下ろす気はないらしく、私は諦めて自分の名前と優馬の名前を探した。
あっ!自分の名前見つけた!
後は...って優馬の名前は私の名前の下じゃん!
「優馬、優馬!同じクラスだったよ!!嬉しいね!ふふっ」
私が優馬に報告するとやっと下ろしてもらえた。
「小学校から今までずっと同じクラスですね。
3年間クラス変わらないので嬉しいです」
そう、この速水高校はクラス替えなし!って感じで他のクラスとは勝手に仲良くなれって感じ。
入学式は校長をテレビで移して校長先生が「おめでとうございます」って言うだけ。
その代わり、卒業式は盛大。
...大雑把な説明は一通り終わったかな?
「では、教室行きましょうか」
優馬はこの人混みの中を小さい私が抜けるために手を繋いでくれた。
優馬、意地悪だけど優しいんだよね。
私達の教室は一年一組。
教室についたら、私と優馬で前後に座る。
霧野と熊川だから前後なんだよね。
しかも廊下側。
でも、どんな席でも優馬と一緒なら許せるかな。
それから私達は先生が来るまで話していた。

