「じゃあ、かえるね。」
「おう。」
「少しでも休みがあったら、また帰ってくるから。」
「当たり前!!」
「じゃ。」
「心優も無理すんなよ。」
バイバイ、と手を振って、あたしの家に入る。
なんだか足が軽くなった気がする。
大丈夫、もう何も心配はいらない。
「お母さん、あたし、戻るね。」
「そう・・・気をつけてね。」
「うん。」
「すっきりしたみたいね。顔が生き生きしてる。」
「心配かけてごめんね。」
「今度帰ってくるときは、きちんと連絡するのよ。」
「うん。お母さん、ありがとう。」
あたしは1人じゃない。
いろんな人に、常に支えられてる。
もう大丈夫。
あたしの部屋のピアノ。
この頃に戻れる。
ピアノが大好きで、ずっと弾いていた、あたしに。

